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2014年7月13日日曜日

フィンランドの言語(英語)教育についてゆる〜く考える会3報告

フィンランドの言語(英語)教育についてゆる〜く考える会3報告

楽しい会をありがとうございました。20人近く集まっていただき、前回に続き大盛況でした。早稲田大学の荊さんが場所を設定してくれて助かりました。また、大田垣さんが、facebookで宣伝していただき、フィンランド大使館の方も来ていただき、ますますこのゆる〜く考える会が、ゆる〜く広がっていくのを感じ、うれしいかぎりです。

さて、今回もフィンランドでの体験をあれこれを聞き、様々に話を共有することで、フィンランドを理解し、交流を盛んにしたいという趣旨で集まりました。今回の話題提供者は、吉田陽香さんと飯田夏子さんにお願いし、「オウルで学んだ1年間」と「フィンランドの先生について」というタイトルで話してもらいました。 

以下は、笹島の感想です。

吉田さんの「オウルでの1年間」

吉田さんは高校生と立場で、飯田さん教師という立場で1年間フィンランドでフィンランドの人たちの暮らし、生徒としての学校生活、教師としての学校教育支援というかたちで、日本の教育環境と比較しながら、フィンランドの教育について話してくれました。

吉田さんの高校での体験は、日本のシステムでいうと、大学での学習に似ていると言えるでしょう。学校は授業を受けるところで、それ以外の関係性は学校のシステムとしてはない。吉田さんは、その中で、おそらく必死にいろいろと努力したのでしょう。そのような吉田さんをそっと見ながら、さりげなく助けてくれるフィンランドの人たちがいるというのは納得します。

吉田さんの高校生活を聞いて、フィンランドの自律学習の意味が少し分かったような気がしました。また、吉田さんが、フィンランドでさらに学びたいという気持ちになったのもよく分かりました。日本の学校教育システムはけっこう息苦しいところがありますが、フィンランドは、私が感じたように、サバサバしていると感じました。だめなものはだめ、よいものはよい、です。

きちんと自分の考えを伝えることの重要性は肌で感じたようです。これは頭では分かってもなかなか実行できない面が日本の文化の中には根付いています。日本でははっきりと言うとどうしても角が立ちます。その面では、Intercultural Communicative Competence(文化間理解能力:自分とは異なるものを受け入れる、それに対処する力)は、フィンランドは、Finnish National Core Curriculum(日本の学習指導要領相当)でも言われているとおり、きちんと実行しているような印象を持ちます。

そのような点を、吉田春香さんはフィンランドの留学で身につけてのではないかと思います。堂々とした発表を見て、とてもよい経験をしたのだと思いました。

飯田さんの「フィンランドの先生について」

飯田さんは日々の忙しい仕事の中でふと考え、どこか外国でインターンシップを経験したいと思ったようです。ということでフィンランドで1年間過ごしました。フィンランドを選んだのはほぼ直感で、英語の教師をしているから英語圏でというよりも、英語+αのあるフィンランドを選んだそうです。

フィンランドはもちろん教育で有名な点にも興味がありました。タンペレ市の近くのオリベシ市の中学校で活動することになりました。しかし、行ってはみたものの特に何をするということも決まっている訳ではなく、自分で仕事を見つけなくてはならなかったというのは、実にフィンランドらしいと思いました。

日本の中学校とはだいぶ違う文化を体験したことは言うまでもありません。特に、教師の1日を比較した次の表を見たら、日本の中学校の先生はみんな辞めてフィンランドへ行ってしまうのではないかと思います。


















その他も、フィンランドの先生と日本の先生を比較した話は、たいへん勉強になりました。なるほどと思いました。ほぼ私の理解と同じでした。

終了後に飯田さんとも話しましたが、まずは先生の健康だとつくづく思います。無理して働き過ぎることはよくない。まずは自分あってのものですから、自分を犠牲にしてまで生徒のため、学校のためはでは決してよいことではないのです。が、日本はそうもいかないことも多々あるのが現実です。飯田さんの話を聞いていて、なぜなんだろうと改めて思いました。

フィンランドに多くの人が興味を持っています。特にこの会に集まる人はそうです。が、やはりいいところがたくさんあります。私はフィンランドに暮らしたことはありませんが、都合10回以上訪れています。それでも私が見ているフィンランドは断片的で、このように話を聞くといろいろなことが分かります。

ありがとうございました。

さて、話を聞くだけでは限られてしまうので、このようなブログにそれぞれの体験を書いていただくことで、もう少し共有範囲を広げたいと思います。ぜひ協力してください。

これからちょとしたエピソードを依頼しますのでぜひ書いてください。写真や絵がついてもかまいません。話題は何でもけっこうです。フィンランドのことを書いてください。

フィンランドの方にも読んでもらいたいので、英語でお願いします。末森さんと考えてから、また依頼します。

だらだらと長くなりました。では、また。次回は11月か12月頃です。